苦い思い出

スーツを着ることに今はもう何の新鮮さもなくなってしまいましたが、成人の日はワクワクしたのを覚えています。

20歳の時、僕は大学生で東京の世田谷に住民票を移していました。当時付き合っていた彼女は世田谷が地元で、一緒に成人式に出席することに。

新調したスーツを着た僕は、晴れ着の彼女を気遣い、会場まで奮発して2人でタクシーで行きました。

参加するまで気づかなかったのですが、世田谷区は彼女にとっては完全な地元なので、知り合いだらけです。僕はというと、新潟の田舎から上京してわずか2年。知り合いはゼロ。

会場に着くと、彼女の友達と次々に会い、僕も紹介されたりしました。ただ、挨拶程度は話すのですが、当然話題は僕の知らない中学や高校の昔話に。

また別の友達に会い、同じ流れに。このパターンを4、5回繰り返しました。

徐々にアウェー感を感じ始めました。

それがさらに続きました。

何をのこのこ新潟の田舎者が大都会東京の成人式に出ているんだ!?くらいのとてつもない疎外感を感じていました。あの時ほど新潟を恋しく感じたことはありませんでした。

式典終了後、昔の友達との再会に喜ぶ彼女の邪魔をしてはいけないと思い、1人帰ってきた苦い思い出があります。

家に帰ってきてから1人で食べた紅白饅頭。成人の日が来るたびに、あの切ない味を思い出してしまいます(笑)

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