少年の涙と偏差値60の壁

日曜日にある将棋大会に参加してきました。ちょっとした自慢になりますが、1位でした。
ただ、今回書きたいのは自分の自慢なんかではなく、その会場にいた小学校2年生の男の子の話です。

自分が指している隣の席にその子も指していたのですが、対局中に突然大粒の涙をこぼし始めました。
どうやら負けてしまったことが悔しかったようです。
次の対局でも序盤は攻めていたようですが、次第に逆転され負け。嗚咽するほど泣いていました。

自分もその子と指したのですが、センスのある子でたくさん対局をしていけば、もっと強くなるだろうと感じました。
そして、何より泣くほど悔しがる気持ちが大切なのだと思いました。

模擬試験で偏差値60を超える生徒さんと、どうしても60の壁を超えられない生徒さんがいます。
超えられない生徒さんに共通することは、ケアレスミスがあることです。
このケアレスミスは、「計算間違い」「問題文の読み間違い・勘違い」「うっかり間違い」などです。
偏差値60を超える生徒さんは、ケアレスミスが少ないか全くないです。
偏差値60を超えられない生徒さんは、1つの試験で必ず数問あります。

では、ケアレスミスを減らすにはどうすればいいのか?
問題演習量を増やす・見直しを徹底する、などできることはいくつもあります。
しかし、生徒さんを指導していて感じるのは、もっと深い本人の意識の部分にあるのではないかと思います。

なかなかミスの減らない生徒さんの特徴として、「これくらい仕方ない」「次、できればいいや」と捉えているケースがあります。
一方、ミスの少ない生徒さんがミスをした場合、悔しがります。そして、なぜそのミスをしたのか教える側が何も言わなくてもミスの分析を始めます。

この悔しがることができるかどうか、は成績を上げていく上で非常に大切だと思います。

悔しいと感じるかどうかは突き詰めていくと、「その子次第」になってきます。悔しくもないのに、「悔しがりなさい」と話したところで意味がありませんし、全く響きません。しかし、悔しさを喚起させることはできるように思います。

「A君、B君がいるとします。A君は金曜日の夜、お菓子を食べながらミュージックステーションを観ている。学校の先生の話も聞いていない。家でも勉強しない。数学の解き方を知らない。テストでは空欄で提出し、不正解。
B君は金曜日の夜、雪のなか塾に来て授業を受けている。数学の解き方を学ぶ。定期テストで、同じ問題が出される。やり方は合っているのに、簡単な計算間違いで不正解。
A君はやり方がわからず空欄で不正解。B君はやり方がわかっているのに不正解。この2人が同じ評価になるのは悔しくない?」

こんな接し方をすると少しは悔しい気持ちを持ってもらえるように思います。

涙をいっぱいに溜めている少年を見て、悔しがることの大切さを改めて考えさせられました。

大会後、ある人と指していました。この人はどうしても自分が勝てない人です。いいところまで追い込むのですが、いつも逆転されてしまいます。この日も、自分がかなり優勢に進めていました。野球でいうと9回2アウトで5対0で自分がリード。勝利目前。そんなところで、出てしまったのがケアレスミスです。そこから一気に逆転されてしまいました。僕が大号泣したいくらいでした(笑)

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