昔話

「森田君、塾にとっての社会的使命は何だと思う?」

 

当時22歳の僕に目の前の方は、こう質問しました。この方は、長岡で大手学習塾を何校も経営されている僕よりもずっと年配の方でした。ちょっとしたことからお話をする機会があり、僕が将来的に学習塾を開業したいということを伝えると、こう質問されました。

当時の僕は大学4年生で社会人経験はありませんでしたが、アルバイトで塾講師の経験がありました。自分なりに多くのことを経験してきたつもりで、今思えば恥ずかしい部分もあるのですが、妙な自信みたいなものがありました。学習塾の役割についても自分の考えを持っていました。

「生徒を楽しませて勉強に取り組ませることだと思います。」と僕が答えると、その方は「それは違う」と否定されました。すぐに「生徒をやる気にさせることでしょうか?」と答えると、それも間髪入れずに否定されました。

その方は優しく諭すようにこう続けました。

「そういうのも大事かもしれないけれど、社会的使命を聞いたんだよ。どのように社会の役に立つのか、ということだよ。」

どのように社会の役に立つか・・ということは正直なところ考えたことがありませんでした。答えられない僕に対して、その方はこうおっしゃいました。

 

「学習塾の社会的使命は『成績をあげること』『志望校に合格させること』だよ。これを何よりも一番に考えなくちゃいけない。」

 

大学生時代の塾講師としての経験は、今でも自分の中でプラスになっています。ただ、生徒に勉強を教えることに精一杯で、保護者の方の目線で学習塾を見るということがありませんでした。しかし、社会人になり学習塾の責任者として保護者の方と多く接するようになると、生徒だけではなく保護者の方が何を学習塾に望んでいるのか、何を求めているのか、はっきりと分かるようになりました。そして、あの時に言われた「成績をあげること、志望校に合格させること」が塾の社会的使命であることも年々深く理解できるようになっています。

「生徒を楽しませて勉強に取り組ませる・やる気にさせるというのは大前提で、そんなのは当たり前。塾なのだから当然。それがあった上で、成績を上げることが塾の社会的使命なんだよ。」とあのとき、はっきりとはおっしゃっていませんでしたが、そう僕に伝えたかったのだと思います。言葉にすれば簡単なことですが、非常に難しい場合もあります。しかし、SORAはこの思いをぶれることなく抱き、指導に当たりたいと思います。

 

先日、長岡の8号線を走っていて、当時のことを書いてみようと思いました。

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